歯周病は全身にかかわる病気?
皆さん、こんにちは。
アストラムライン「白島駅」から徒歩5分の、くすのき歯科です。
最近、「歯周病が原因で病気になる」というニュースを聞く機会が増えました。 歯周病は、お口の健康のみならず、全身の健康を脅かすことがあるのです。
歯周病とはそもそもどんな病気?
歯周病は、歯周病菌による感染症です。
歯みがきが正しくできていないと、歯と歯ぐきの間にある「歯周ポケット」に歯周病菌の温床となるプラーク(歯垢)がたまり、歯ぐきの内部で炎症を起こします。 初期の歯周病は、歯ぐきが腫れたり出血したりと大した症状はありませんが、放置すると歯ぐきや歯の周りの組織を溶かしていき、歯を支える骨まで溶かして歯が抜け落ちるといったトラブルにまで発展してしまいます。
歯周病は万病のもと?
歯周病菌は、お口の中にとどまっているわけではありません。
歯ぐきの血管から体内に侵入し、血液とともに全身をめぐっていきます。
そのうち、歯周病菌自体は体内の自浄作用によって死滅していきますが、死骸から発生する毒素や、歯ぐきで発生した炎症物質はそのまま体内をめぐり、全身で病気を引き起こす原因となってしまうのです。
歯周病菌などの刺激により血管内にプラークができ、プラークが剥がれて血の塊ができると、その塊によって血管が詰まって動脈硬化などの心疾患や、脳梗塞などの脳疾患を引き起こします。
また、糖尿病の人は歯周病にかかりやすい、歯周病の人は糖尿病になりやすい、さらに歯周病になると糖尿病の症状が悪化するということがわかっています。
これは、歯周病菌の出す毒素によって、血糖値を下げるホルモンやインスリンの働きが弱まってしまい、血糖値が上がりやすくなることが原因です。
日本人の死亡原因の3位である肺炎のうち、誤嚥性肺炎も歯周病が原因です。
高齢になると食べ物などの異物を気管や肺に入れないようにする機能が弱り、異物とともに歯周病菌も取り込んでしまうためです。
ほかにも、妊娠すると歯周病にかかりやすくなるといわれています。
これは、エストロゲンという女性ホルモンが歯周病菌の増殖を促すことや、歯ぐきの細胞がエストロゲンの標的となるためです。
さらに、妊娠に歯周病にかかると、低体重児や早産の危険度が高くなります。 これはお口の中の歯周病菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に直接感染するためだといわれています。
歯周病予防には、歯磨きと歯科検診がおすすめ
日本人の成人の約8割が罹患し、「国民病」とも呼ばれる歯周病。
歯ぐきが腫れたり出血したりする程度がと軽視されがちですが、お口の健康にも悪影響を与えるだけでなく、このような命を落とすような病気にも深く関わっている、とても恐ろしい病気です。
歯周病を防ぐには、日々の適切な歯磨きと、歯科医院での定期検診が大切になってきます。
歯科医院では、歯周病の進行度の確認や、プロによるクリーニングで普段の歯磨きでは落としきれないプラークや歯石の除去、歯ぐきの炎症が観られる場合には、消毒による消炎処置を行います。
恐ろしい歯周病ですが、このようにお口のケアをしっかり行っていれば、簡単に治療や予防が可能です。 自覚症状のない方も、一度歯科医院で検診を受けることをおすすめします。